2011年10月28日金曜日

キーボードの先へ

ポルシェがデザインした携帯が発表されましたね。さすがポルシェ、BlackBerryもこんなに洗練されて・・・確かにカッコイイのですが、なぜか時代遅れな印象を受けてしまいました。

理由は勿論 iPhone・iPadの、シンプルなイメージが示す未来感に馴染んでしまっているからでしょう。ほんの数年でハードウエアキーボードが既に古いと感じるとは驚きです。まだソフトウエアキーボードでの入力が主ですがAppleは既にSiriのサービスをスタート、日本語未対応なのが残念ですが音声アシスタントが現実になって来ています。

元々SFの電子頭脳にはキーボードはなくて、鉄腕アトムも「2001年宇宙の旅」のHAL9000も人間と会話していましたから、パソコン時代になってあっという間にキーボードだらけになっていった時はちょっと違和感さえ覚えたものです。あれ?未来ってこんなんだっけ?と。

CADの黎明期に夢見たのは、デスク全部がタッチスクリーンでその上で絵を描きワンタッチで3Dホログラムが立ち上がる、というものでした。19’モニターが150万円もした頃ですから正に夢でした。設計側にいるのでマウスよりもスタイラスペンやジョイスティックで絵を描きたいと思っていましたし「やがてCADシステムは飛行機のコックピットのようになる」という方もいて、キーボードとは何かやむを得ず的なスタンスで付き合って来たわけです。

キーボードだと2バイト文字圏は変換が必要なのでちょっと不利。手書き認識に期待もしたけれど頭と手のスピードが違い過ぎてこれもつらい。そこへいくと音声認識は悪くなさそうです。かと言って、ペラペラ喋りながら仕事をしたいわけじゃありませんし人前では恥ずかしい上に邪魔にもなりそう。

でもこれが自動車の中ならプライベートな空間だし安全のためにも音声コントロールは理想的。カーナビがこちらに向かうは必定。なんだかナイトライダーのようですが:-) 折角のポルシェデザインですから自動車の未来も見据えたトータルデザインも見せて欲しいなと思った新製品発表でした。

2011年10月23日日曜日

タイ洪水被害の寄付

タイの洪水被害がバンコクに及びさらに続くとの報道、とても心配です。こちらの大震災の時も援助してくれた親日国、少しでも役に立ちたいと思い義援金の受付先を探してみると、予想外に少なくて驚きます。

とりあえず近くではコンビニ2店(ファミリーマートとセブン・イレブン)に募金箱が設置されていましたので一安心。こちらは東京なので直接大使館へというのが一番確実かも知れないと思い大使館のホームページを見たところ、受付銀行口座が出ていました。本国への第1回の送金は終了したとのことですが、引き続き11月末まで寄付金の受付をしていて、大使館にも募金箱があるようです。大使館の寄付金受付ページは以下からどうぞ

タイ洪水被害者救済のための寄付金受付について

被害面積は本州と同じほどの面積に及ぶとのこと、少しづつでも長い応援が必要と思います。親日国は応援したい!

2011年10月6日木曜日

Visionary スティーブ

朝からジョブズを悼むニュースで持ちきりでした。Apple社のCEOを辞めたばかりで体調の悪さは噂されていたものの誰も想像したくない結末。改めて成し遂げてきたことの大きさに驚きます。心からご冥福を。


私はジョブズのファンではありませんが、彼が世に送り出した製品に魅せられ続けてきました。AppleⅡは高価で手が出ず、ようやく手に入れたSE/30から、Macが発信している ”使える”ではなく”使いたくなる”道具 の魅力に引きこまれて今もiPod・iPhoneへと続いています。

魅力は何かと考えたとき「革新的美しさ」と言ったら短くし過ぎでしょうか。研ぎ澄ますというのか削ぎ落とすというのか、日本的美意識に近いものを強く感じています。経済的合理主義とこの美意識は常に対立していたのかも知れませんが、妥協のない革新的製品を One more thing と言って取り出す魔法に熱狂するシーンが思い出されます。


こんな日ですからスタンフォードでの有名なスピーチ映像を探してみました。膵臓癌手術の後でもあり、心に響くエピソード・名言に溢れています。他の人から言われたら反発しそうなことも、穏やかで誠実な話しぶりに誰もが頷いたことでしょう。若き日の傲慢さは微塵も感じられず・・・



「人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」

そのスピーチのものではありませんが、これは彼の名言の中でずーっと気になっているもののひとつです。と同時に得心がいかないままでもいるのですが、それを確実に実行し続けた天才がジョブズだったことは疑う余地がありません。製品で世界が変えられることを証明した・・・彼を一言で表す言葉が見つからず追悼記事をながめていたら・・・

tech visionary

英語のニュアンスは分からないのですが、この visionary という単語が妙に腑に落ちる気がしました。いつも先を見ていたスティーブ、足元を見誤ることはあってもその先は正しかったとしたら紛れも無い天才。さらなる先を若いスタンフォードの学生に託そうとしていたのでしょうか。昨日の出来事は世界中の更に多くの若者に伝えたのではないかと思います。