2011年4月20日水曜日

都心の木造

木造3階建ての小住宅が竣工しました。着工が遅れたために少し忙しい工事でしたが、無事引越しも済み入居後の雑工事も終わって気持良くお住まいいただいています。

都心の一等地は地価も高く、厳しい敷地にギリギリまで建てる事になります。斜線制限もきびしく階高を抑えて天空率も使っての3階建て。絞り過ぎたかと思うほどのダイエット仕様で外周廻りの工事はさぞ大変だったことでしょう、ご苦労様。

不勉強で今まで取り組んで来なかったセルロースファイバーを使った断熱工法。今回初めて採用したのですが、残念ながら予算調整の段階で自然素材による内装を完全には行えませんでした。ビニールクロスを貼った部分もあるわけで、この違いがどれだけの差として現れるのか、心配でもあり興味深くもあります。

外部は塗壁もあればサイディング部分もあるという複合仕様。敷地状況からの選択でしたが、もっともっと吟味したいところです。最近人気のある縦格子の木製ルーバーをファサードの半分くらいに設けました。これも予算調整でアルミの代替案が浮上、しかしここは譲れないところ。断面サイズを調整して無垢で残すことができ、この家の存在感を増してくれています。

縦格子というのは不思議なもので自然と落ち着く感じがします。和風のつもりはなくても格子の中へ入るとフッと静かになったような・・・。メンテナンスは掛かりますが日差しの移ろいなど季節を楽しんでいただけたらと。

電力供給が心配な昨今、今年の夏はこの断熱性能と併せてクーラー最小で過ごせますように。

2011年4月16日土曜日

レンズの向こう側

永く噂の白いiPhoneですがようやく出てきそうですね。私はあと1年使って5になってからかなと思案中。

最近は、地下鉄に乗ったりすると向かい合ったシートで6人前後はiPhone4を覗いています。3Gも含めれば普通の携帯と同数かそれ以上の普及率! なんともよく売れたものです。女性もカラフルなケースで愛用しているようですから、はたしてホワイトは売れるのかと心配に:-)

私のiPhoneは裏面にこんなデカールを貼っています。厚めのシールなんですが、ライカM8の画像がレンズ穴までぴったりサイズでなかなか良い感じで納まります。アメリカからですが注文して直ぐに送られてきました。他に2眼レフのものやアニメ、ジョークの利いたものまでいろいろ楽しめます。

3Gの時は接写レンズ付きのケースを買いましたが、4の場合はケースが似合わないのと機能アップがないのでそのままで使っていました。カメラの性能が上がり普通のデジカメなしでもなんとかなるのでつい撮りまくってしまうのですが、その時ふと思ったのです。写真を撮るときは「撮りますよ~」と伝えたほうが良いんじゃないかと。

今時、携帯で写メは当たり前、何を今更と思いつつ、レンズを向ける方向に一定の配慮するのは大人の嗜み?かどうかは分かりませんが、ちゃんとカメラを構えて「これから撮ります」宣言にもなるかなというつもりで愛用しています。舞浜へ行った時もこれで撮影してきましたが向けられない場面もありました。知らないうちに撮られるのは嫌なはずですから。

でもiPhoneホワイトだったら貼るかなぁ・・・悩みますね:-)

2011年4月1日金曜日

液状化の今後

舞浜・新浦安エリアへ行ってきました。液状化被害が早くから報道されYouTubeで映像も見ていましたから大体の様子は分かっているつもりでした。既に3週間近く経っているので復旧も随分進んでいるように見えたのですが・・・

舞浜在住の友人の案内で自転車で移動。泥土の撤去が進んだ住宅街でも沢山の塀が傾いたままで、エリアによっては傾いていることがはっきり分かる住宅が並んでいるところも。今も家のポーチを箒で掃除している住人の方を見るとお気の毒でカメラを向ける事もできません。

道路にはあちこちに下水作業車が見られます。下水管の中で流れの良くない部分をマンホールから汲み上げているようでした。友人によれば、この2週間で一番嬉しかったのは「自宅のトイレが流せるようになったこと」だそうで、近所の公園などには今も仮設トイレが並んでいました。大きな通りの歩道には仮設の給水管が引かれていてポリタンクに注水している住民の方の姿も見かけます。それでも、上水はまだ良いそうで、下水が使えないのは本当に辛かったとのこと。顔を洗ってもその水を庭に運んで捨てねばならず、寒い夜に公園の不衛生な仮設トイレに行く・・・想像するだけで気が滅入ります。


斜めに沈下した交番、傾いた電柱や標識、60cm以上も舗装面と段差ができてしまったショッピングセンターやホテル、飛び上がっているマンホール・・・報道されているとおりなのですが、不思議なのは被害の大きいエリアとそうでないところが入り組んでいて、道路の左右で違ったり、同じ住宅地でも特定の通りに沈下が目立つものの、開発時期の同じ地区全体が被害を受けているようでもなさそう。住宅地では確かに古い開発地域は被害が少ないようなのですが実際の埋立・開発時期との関係は明確には感じられませんでした。大通りと裏道ではかなり印象の違うところもあり、今後の専門家の判断に期待します。

この湾岸エリアは「日本のLA」と言われていたほど人気があり、特に舞浜エリアは高級住宅地でそろそろ建替時期にも差し掛かっています。現に、新しい住宅を建て入居直前に震災にあった建物や地鎮祭の竹笹が立っている区画もありました。液状化については購入時から可能性を指摘されていて多少なりとも覚悟はしていたものの、実際に起きるとまでは思っていなかったというのが本音ではないでしょうか。しかしそれが現実になると、これから先また液状化被害に遭う恐れはないのか、という心配から住み続けることに懸念を抱いている人も多いはず。友人からも「一度液状化が起きれば以前よりも締まって心配は減るのでは」ということも質問されました。私は地盤の専門家ではないので明確な回答はできませんが、住民の方は、そういった不安や希望的観測が入り交じり夢を持った楽しい家づくりを考えることが難しい時期。仮に専門的な裏付けがあったとしても、説得と納得は違うので、可能ならば気持ちが落ち着く時間を取って欲しいところです。


この写真は耐震性飲料用貯水槽なのですが残念なことにマンホールが飛び上がってしまい期待通りは機能しなかったのではと想像します。浦安市は今回の災害でインフラ復旧と対策の貴重なノウハウを蓄積したことでしょう。今後同種の問題を抱えるかも知れない市町村にとっては最重要な情報提供者となるに違いありません。今回の経験を活かして、このエリアを今まで以上の「夢の街」に育ててくれることを願います。