2011年1月28日金曜日

講習は誰のため

管理建築士講習の受講期限が近づいているという連絡が何度も来るので、重い腰を上げてようやく行ってきました。しかし、1日がかりのこの講習、一体何がしたかったのでしょうか。

9:30AMから4:10PMまでのビデオ講習の後、1時間の修了考査付き。テキスト参照可の試験など落とすはずもなく、高い講習料と出席を取られるだけの制度に大いに疑問を感じます。

管理建築士は建築士になってからの実務経験が必要で、建築士にも定期講習が義務付けられているのですから、管理建築士にだけ最低限必要な講習内容で十分なはず。しかしその内容は広く薄く・・・。要点に絞れば半日で十分終わりそう・・・いや、そもそも講習の必要性も疑わしい。必要な法改正の解説を郵送するだけで十分で、何度も送られてくる講習の案内など無駄です。

業界の講習には何度か参加しているものの、ただの一度も「参加して良かった」と思ったことがありません。長時間な上に講習料も高く実務に直接役立つとも思えないので苦痛でしかありません。その証拠に講習後に再度テキストを見たことが無い。テキストを読み返すことがないのは運転免許更新講習も同じですが、あちらのビデオの方が遥かに有意義で、短時間によくまとめてあると感心します。

昨年も、設計契約が「委託」か「請負」かの判断で話題になった裁判があり、業界の関心事の一つですが、最高裁で争う予定となれば結論は出ていない道理。講習では「両方の考え方がある」と素通りで、がっかりというよりウンザリでした。これではまるで素人の学生に講義する程度の内容。どうせやるならもっと具体的に、法律の専門家が現状どう対処すべきか解説するくらい気合を入れて欲しいものです。

講習を主催する側の経験から言えば、参加者がある程度見込めれば講習は確実に儲かります。大きな会場だったりすると、これでいくら儲けるんだろう、とついつい思ってしまう訳で、講習は誰のため?としばし溜息。消費者保護の名のもとに利権の臭いも消えない改正続き。行政と大企業しか生き残れない世の中へ向かうなんて・・・イカサないね。