
私はジョブズのファンではありませんが、彼が世に送り出した製品に魅せられ続けてきました。AppleⅡは高価で手が出ず、ようやく手に入れたSE/30から、Macが発信している ”使える”ではなく”使いたくなる”道具 の魅力に引きこまれて今もiPod・iPhoneへと続いています。
魅力は何かと考えたとき「革新的美しさ」と言ったら短くし過ぎでしょうか。研ぎ澄ますというのか削ぎ落とすというのか、日本的美意識に近いものを強く感じています。経済的合理主義とこの美意識は常に対立していたのかも知れませんが、妥協のない革新的製品を One more thing と言って取り出す魔法に熱狂するシーンが思い出されます。
こんな日ですからスタンフォードでの有名なスピーチ映像を探してみました。膵臓癌手術の後でもあり、心に響くエピソード・名言に溢れています。他の人から言われたら反発しそうなことも、穏やかで誠実な話しぶりに誰もが頷いたことでしょう。若き日の傲慢さは微塵も感じられず・・・
「人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」
そのスピーチのものではありませんが、これは彼の名言の中でずーっと気になっているもののひとつです。と同時に得心がいかないままでもいるのですが、それを確実に実行し続けた天才がジョブズだったことは疑う余地がありません。製品で世界が変えられることを証明した・・・彼を一言で表す言葉が見つからず追悼記事をながめていたら・・・
tech visionary
英語のニュアンスは分からないのですが、この visionary という単語が妙に腑に落ちる気がしました。いつも先を見ていたスティーブ、足元を見誤ることはあってもその先は正しかったとしたら紛れも無い天才。さらなる先を若いスタンフォードの学生に託そうとしていたのでしょうか。昨日の出来事は世界中の更に多くの若者に伝えたのではないかと思います。
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