友人だった彼の訃報はあまりに突然でしたから、9か月余り経ってもまだ実感がわきません。
奥様からの手紙によれば、告知を受けてから2年半の間に描いた絵を本人の希望を叶えたく計画した、との事。胸が詰まる思いです。
私は芸大でも篠原研でもないので彼と特別懇意だったというわけではないのですが、設計製図の指導をしていた頃の講師仲間としては、お互いちょっと異端なところがあって妙なところで意気投合したり感覚の違いに感心したりで、会うのが愉しみでした。
駆け出しの頃、仕事の応援を頼んでウチに来てもらったり呑みに行ったり・・・思い出すのは、いつも飄々とマイペースで何よりスタイリッシュ。独特な雰囲気を纏っていました。
絵心のない私には”最晩年に絵を描く”ということの人生の意味を理解することができません。
また、あのクリクリっとした眼でさ、バツの悪そうな顔で微笑んでくれよぉ・・