2009年1月30日金曜日

外来シロアリの脅威

上記を副題として放送されたNHKの「クローズアップ現代」の反響は大きいようで、たまたま建て替え検討中だった知人から木造に対する不安の声を聞きました。アメリカカンザイシロアリについて全く知識がなく、慌ててYouTubeで番組を確認したのですが、かなり不安になる構成でしたから眠れなかった人も出たのではと心配になります。それにしてもアメリカカンザイシロアリは怖いですね。

数年前にアメリカへ行った際、ロスから南に向かう車中で、住宅1棟丸ごとシートで包んであるのを目撃、シロアリ駆除と聞いて仰天したのを思い出します。しかも「毒ガス」で燻蒸するというのですから呆然としたものです。今にして思えばあれがカンザイシロアリの駆除光景だったのですね。

シロアリ駆除会社数社に問い合わせてみましたが、アメリカカンザイシロアリについては実績がなく保証できないとの回答。更に調べてみると、アメリカでは燻蒸処理は効果の持続性がないこともあってホウ酸塩処理にシフトしてきている、との記述を見つけました。日本でもホウ酸塩を扱うところがあることが判ったので、NHK番組に登場したシロアリ駆除会社にも問い合わせてみたところ、こちらはホウ酸塩については積極的な印象は得られませんでした。完璧を目指してアンモニア系の加圧注入で1棟試すことになっているのだとか。予防方法に関してはまだ確率されていないようです。

資料を見る限り、ホウ酸系薬剤は安全で効果の持続性も高いと書いてあり、EPAや日本木材保存協会に認定されているそうですから信頼はできそうです。これからアメリカのように普及していくのだろうと想像しますが、本当に夢の薬剤なのかについては注意深く見守る姿勢も必要かと考えています。

なにしろ建築士はシロアリについて全くの素人ですし環境問題についても科学的裏づけを持っていません。最良と思われる方法に積極的に取り組みたいと思いつつ、安直に「新素材」や「天然材料」に飛びつかないよう戒めないといけませんね。

興味深かったのは、一般的に害虫と思っていたシロアリを専門家の方は「加害しない限り益虫」ととらえ共生を目指していることでした。そして今回の放送後は多少過剰反応の節もあるのでは、と。

さて、快適に暮らしてもらいつつ大切な財産を守るために何を選択すべきか・・・まだまだ悩みます。